浮気調査とGPS

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GPS発信器の違法性

犯罪者又は犯罪をしているかもしれないという人物が運転する車に、警察での捜査とはいえ、令状なしに勝手にGPS発信器を装着することは違法である、と平成29年3月に最高裁判所で判断されました。

このGPS発信器を勝手に使用することができれば、犯罪の抑止力にもなり、警察の捜査にはかなり楽になったことしょう。

また探偵も同様で車を利用する調査対象に取り付けられればこんなに楽な事はないのです。

しかし、この判決により探偵でもGPS発信器の使い方には充分な配慮が必要となったと言えます。

浮気調査でのGPSが違法なケース

まず、配偶者が運転する車に依頼人である夫や妻が取り付ける事は法的に大きな問題はありませんので、夫や妻の依頼により探偵が装着する事にも違法性はありません。

ところが全くの他人、それこそ浮気相手と思われる人物の車に取り付ける事は違法となります。

例えば妻の浮気調査で浮気相手の男性が車で迎えに来て、それに乗り込み、ホテルなどを利用していたとします。

自宅近くに迎えに来てくれれば探偵も車での対応ができるかもしれませんが、電車やバス、自転車などで移動してその時その時、待ち合わせ場所が違うと探偵も対応が出来ません。

探偵として考えるのは、浮気相手の男性の住所を先に特定して男性の車にGPS発信器を装着しておけば、難なく事が進みます。

しかし、この発信器を全くの他人である浮気相手と思える男性の車に装着する行為が違法となってしまいます。

更に浮気相手の車に装着する際に対象者の敷地内である駐車場に入り、装着する行為も不法侵入という刑事罰が加わります。

この行為を探偵が依頼されたからといって実行し発覚した場合、その探偵事務所は管轄の公安委員会より営業停止処分や余りにも悪質ですと廃業命令という厳罰処分を受けてしまいます。

この処罰については各都道府県の公安委員会のホームページに公開されていますので参考にされてみて下さい。

浮気調査でGPSレンタル・使用は自己責任

GPS発信器を車に装着する行為は、夫婦間であればそれほどの問題にはならないのですが、例え、恋人関係、婚約者関係だとしても問題視されてしまいますし、前述したように、許可なく相手の敷地に立ち入る事は違法なのです。

しかも、GPS発信器により行動を監視するとプライバシーの侵害にもあたり、強いては憲法で保障されている人権の問題にも発展してしまいます。

このGPS発信器については、インターネットで検索してみると多くの販売会社やレンタル会社が存在しています。個人でも簡単に手に入る世の中となってきています。

表面上、高齢の親族に対して認知症などによる徘徊、子供の誘拐などの防止、ペットの捜索、自分で所有する自動車やバイク、自転車の盗難防止として利用するような説明がありますが、家族以外の人物、物品に取り付けるような説明は出ていません。

あくまでも自分や家族、所有物に対してとなっています。

ところが恋人や前述したように浮気相手の車などの所有物に取り付け、現在位置などを知りたいと願う人が存在し利用しているのも事実です。

こういった方たちは自己責任で取り付ける訳ですが、もし発覚、刑事事件として訴えられた場合、貴方自身が刑事罰を受ける覚悟もして下さい。

警察では簡単に貴方が購入したとか、レンタル契約をしていると割り出すでしょう。

状況によっては貴方に浮気、不倫を実証するためという理由があっても逮捕、起訴され、罰金以上の判決が出た場合、前科者の仲間になってしまうと言う事は肝に銘じて置くことです。

しかも刑事罰以外に取り付けた相手から民事訴訟の対象にも成り、相当額の慰謝料も請求される羽目になります。

慰謝料を取るために取り付けたGPS発信器が逆に浮気相手へ慰謝料を支払う事にもなってしまうのです。

探偵業者の中には依頼人の配偶者以外にも車の尾行において依頼人とは第三者の車に取り付ける業者もあるようです。

多分、廃業も覚悟の自己責任で実施しているのでしょうが、探偵の使用するGPS発信器は身元がばれない様に様々な工作を施している発信器もある模様です。あくまでも噂の範疇ですが。

素人が甘い考えで配偶者や家族以外に使用することはお勧め致しません。