私立探偵とは

私立探偵

私立探偵の特徴と守るべきルール

私立探偵とは、個人または民間の業者が探偵業を営むスタイルのことです。

探偵という専門資格や探偵になるのに必要な資格などはありません。

誰でも探偵として行動するための知識やノウハウなどを学んで、私立探偵になることができます。

ただし「探偵業の業務の適正化に関する法律」(以下、探偵業法と省略します。)が平成18年6月2日に成立し、探偵業を営むための条件や業務を提供するためには各都道府県の公安委員会に届出をすることが義務付けられました。

私立探偵を営むには

私立探偵となるために必要な専門資格や、学校などに通うことは要件となっていませんが、探偵にはなれない人が法律で明文化されました。

成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ていない人は判断能力や資力に問題があるため探偵にはなれません。

禁錮以上の刑に処せられ、または探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、刑の執行を終わったか、執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過していない者は再犯などのおそれもあるのでできません。

最近5年間に探偵業法に基づき、公安委員会から営業の停止や営業の廃止などの処分を受けたにも関わらず、その処分に違反した場合は業務の適正な施行が期待できないので探偵にはなれません。

暴力団との関係を防ぐため、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員であるか、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者もなれません。

探偵業を行うにあたり、成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が探偵にはなれない成年後見人や暴力団員、犯罪歴や処分歴がある者である場合も認められません。

未成年者には判断などが難しい仕事であるとともに、自らは探偵になる条件を満たさないのに未成年者を自分の傀儡のように操ることを防止するためです。

また、探偵会社を設立する場合には、その役員がこれらの探偵になれない条件を満たす者があってはいけません。

探偵業の届出が必要

探偵業を営む際には事前に内閣府令で定めるところにより、営業所ごとにその所在地を管轄する都道府県公安委員会に探偵業法によって求められる事項を記載した届出書と必要書類を提出しなければなりません。

そのため、私立探偵に依頼する際には探偵業届出証明番号○○都道府県北海道公安委員会の第△△号といった届出番号が明示されているかを必ず確認しましょう。

届出がない場合、探偵業法違反の無届け業者となるので注意が必要です。

探偵教育の必要性

探偵になるには特別な専門資格は必要ありませんが、探偵業法により、探偵業者は従業員に対して探偵業務を適正に実施させるために必要な教育を行わなければならないと定められました。

そのうえで、営業所ごとに使用人その他の従業者の名簿を備えておかなくてはなりません。
依頼するうえでは、担当する探偵がしっかり教育を受けた人物であるかも確認したいところです。

探偵業務の実施の原則

探偵業務を行うには、探偵業法およびその他の法令において禁止されることや制限されている行為をすることはできず、かつ、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害しないように留意しなくてはなりません。

警察のように警察手帳を見せて聞き込みをするとか、警察官や国税庁調査官のように令状を持って住居に入って調査をするといった権限は持てないのです。

秘密の保持義務

探偵業者の業務に従事する者はおよび探偵業務を辞めた人も、正当な理由なくその業務上知り得た人の秘密を漏らしてはなりません。

また、探偵業務に関して作成する場合や取得した文書や写真その他の資料やデータなどを不正に使用することは禁止され、また、不当な利用を防止するための措置を講じておかなければなりません。

法律上の秘密保持義務もあるので、安心して利用できます。