探偵という仕事について語る
探偵の仕事
御依頼者の多くはご自身で抱えた問題の解決のために探偵に相談や問い合わせを行います。
言ってみれば、探偵の仕事は御依頼者に出来ない行為を手助けしサポートする存在と言えます。
調査は日常生活とかけ離れた行為であり、プロの仕事が必要になる場面、探偵にとって「助けを求められる」場面です。
世間に存在する弱者の形は様々であり、強者から受ける道理の通らない状況やどう考えても法律上おかしな状況下での生活や仕事を強いられている方も多いです。
事実を明確に調査し、結果を報告することで日常生活に存在する悩みや問題の多くは解決されます。探偵の仕事で「人生の転機」や明るい生活への第一歩を踏み出す依頼人の方たちを多く見てきました。
探偵にできる仕事は多くのご依頼人の未来にも関係するのです。
探偵の仕事に必要な要素
探偵の仕事に必要な要素に「落ち着きのある判断や行動」と「的確に要点を逃さない注意深さ」があります。
小さな情報収集からプレッシャーのかかる決定的瞬間をとらえる調査にいたるまで「全ての場面で要求される」重要ポイントと言えます。
人の性格は様々なので、落ち着きのない待つことが苦手な人物も存在するでしょう。
但し、探偵に関して言えば「待てない人物」は不向きであり、探偵の仕事に必要な資質がないと言えます。
もし、このように落ち着きが無く、答えばかり急ぐ人物は、御依頼者の人生に関わる案件を扱う資格はないのではないでしょうか。
依頼する側からしても、頼りなく不安定この上ない探偵と評されることでしょう。
長く困難な調査案件は、その瞬間を待ち続けなければ成り立ちません。
軽く軽率な判断は許されない、探偵という仕事の厳しい現実であり普遍的なあり方です。
本物の探偵を目指す
本物の探偵による仕事には特徴があると思います。
世間に存在する探偵に偽物が多いといっているわけではありませんが、「スペシャリスト」という意味合いの探偵が行う仕事の特徴です。
本物の探偵がまず行う事は、依頼人が相談していることの「本質」を知ることです。
表面上は簡単な浮気調査であっても、依頼人の本心は違う場合もあります。
所謂、浮気相手への社会的制裁が目的であったり、恨みをはらす行為が本心であることも考えられます。
面談の段階で「空気感」や「言動」を感知できる探偵はスペシャリストではないでしょうか。
見え隠れする依頼人の根底にある「感情」を読み取る。本物の探偵ならではの感覚であり、他人が真似できない領域で調査を実施できる要因にもなります。
表面上の調査と本質の調査の両方を踏まえた上で現場で情報収集してくるわけですから、優秀な仕事との評価が得られます。
依頼者の記憶に残る良い仕事
依頼者の記憶に残る「良い仕事」を行える探偵は、腕が良く良心的であると思います。
依頼者の為に働き、依頼者の満足や納得の行く調査結果を残しているのではないでしょうか。
そんな探偵とは真逆な存在も実在し、依頼者の意向を考慮できず探偵個人の考えや利益ばかり調査に反映していて「何なのあの探偵は!」との評価をいただいてしまう。
世間とは最低限、常識と良識が必要であり、探偵と依頼者の関係も例外ではありません。
探偵の仕事を間違った解釈で認識する人物も探偵業には実際に存在し、意味不明な物言いで依頼人を翻弄し「不当な利益」を得ようと考えます。
そんな探偵は探偵とは呼べない人物ばかりで笑いものにしかならないのが現状です。
仕事に関しても「ペテン?」と思える程の結果しか導き出せないでしょう。
時代に求められる探偵の仕事
情報化が進み処理速度が要求される現代社会では、求められる探偵にもある種の条件がついてまわります。
従来のアナログ的な調査手法を否定しないまでも、スピーディーな調査を実施でき、PCやネットに精通した調査力を兼ね備え、依頼人にとって満足な調査が実施できなければ条件を満たす探偵とは言えません。
理想的な探偵像を言葉にすることは簡単です。
しかし、実際にハイレベルな調査を実施できる探偵を教育するには、膨大な経験と時間が必要とされます。
質の良い調査を提供出来る調査会社や興信所では、おそらく腕の良い調査人が在籍し後輩育成に力を注いでいます。
通常、探偵学校で学ぶ調査のイロハや実技に加えて、様々なシチュエーションに対応した経験や判断力が備わり、「体が覚える」まで数年が必要となります。
加えて、依頼人との面談や経験からのアドバイスができる営業力が付いてこそ、「一人前の探偵」と呼ばれるにふさわしいでしょう。
探偵という仕事の魅力
探偵を仕事としていて、魅力を感じる場面があるとするならば「依頼人の満足」です。
探偵に調査を依頼した依頼人が、調査結果に満足し「笑顔」になる瞬間が探偵という仕事のやりがいと個人的には思って業務に従事しております。
一人では解決できない諸問題をクリアーするために、依頼人は探偵に調査を依頼するものです。
依頼人の表情に変化があらわれ、未来を変えた瞬間を実感した時、探偵をやっていて本当に良かったと思え、人の役に立てたと感じられます。
私が感じる「探偵の仕事の魅力」はそこにあります。
新人探偵や調査員たちの中には、探偵をしていて体験する「非日常」や「スリル」を魅力としている人もいるでしょう。
しかし、依頼人と直接関わるようになってくると、このあたりの感じ方は変わってくるのではと思います。
思いやりのある仕事
心温まる思いやりのある仕事は賞賛に値します。探偵が行う調査もそうあるべきと常々考えています。
利益を上げなければ探偵として存在して行けない現状と葛藤しながら「依頼者にできる最大限の配慮」をもとに調査を行い業務を遂行したい、と。
過去の依頼者の中には調査報告を目にして感謝の涙を流す方も少なくはありませんでした。
そんな仕事が「本当の探偵」による調査であり、依頼に誠実に向き合って、結果を求める姿勢が何より大切であると思います。
世間には心ない仕事を行う探偵も存在しています。
同業者として情けない反面、「背に腹は代えられない理由」でもあったのかな?とも考えさせられてしまいます。
世間は厳しく探偵に接してきます。
多くを疑い保身を考えた上で探偵も業務も行いがちになります。
しかし、本当に悩み苦しんでいる依頼者を守る仕事ができないならば、探偵は廃業するべきであると考えて日常と向き合っております。