ブログ記事一覧
- 探偵 布団 2
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2023.03.22
依頼人が泊りの日の夜。胸騒ぎがして家に電話してみると、子供が出て、「お母さんはお仕事でいない」と言う。わが子にはそれ以上聞けず、悶々としてひと晩を過ごした。翌日帰宅してから妻に問いただすと、「会社を辞める人がいて、送別会…
- 探偵 布団 1
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2023.03.14
「こちらは、東日本信託銀行中野支店です」 電話の主は何げない調子を装い、そう告げただけで沈黙した。待ちに待った知らせである。 「どのくらい引っ張れますか」 気がせくのを抑えながらわたしが聞くと、 「いまいらしたばかりです…
- 探偵 父をたずねて 14
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2023.03.07
平成5年の正月を、兄の住むロスアンゼルスで過ごしたわたしは、少し遅れて初出社した。バブル崩壊に伴い、上昇を続けていた景気はあっという間に失速し、不景気の波が押し寄せ、わが探偵事務所も調査員の削減を迫られていた。湯水のごと…
- 探偵 父をたずねて 13
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2023.02.28
京都や大阪における調査を終えて東京に戻った三日後、依頼人に事務所に来てもらい報告した。この日の早川直子は、薄いピンクのツーピース姿だった。挙式前の慌ただしさの中にも、浮き立つような幸せがにじみ、最初に会った頃よりいくぶん…
- 探偵 父をたずねて 12
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2023.02.24
大阪市東淀川区塚本町六丁目×番地、寿アパート三号室。JR塚本駅から徒歩で二、三分のところ、小さな商店街が切れるあたりを左に曲がった住宅街の片隅に、そのアパートはある。大阪では文化住宅というそうだが、木造二階建てに全部で十…
- 探偵 父をたずねて 11
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2023.02.17
近隣での聞き込みの結果、佐和子の夫つまりマルヒは、結婚当初こそ真面目に働いていたらしく、自転車で御用聞きに走り回る姿を見かけたが、もう十年以上水田家に近寄っていないという。ある日のこと、配達の途中でダンプカーと接触する事…
- 探偵 父をたずねて 10
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2023.02.14
父も母も、朝鮮で生まれ首都京城で育った。かの国が日本の植民地時代の、短い間の出来事である。二人とも特別ハングルを習ったわけでもないだろうが、一番いい時代のノスタルジアを、父なりの方法で、「カムサハムニダ」のひと言に託した…
- 探偵 父をたずねて 9
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2023.02.07
中肉中背、兄にも祖父にも似ていない。ましてや、わたしとは似ても似つかぬ風貌の、少しくたびれた印象の漂う中年男。来ている背広もお世辞にも上等とはいえない安物である。探し物をしているのだからしかたないのかもしれないが、歩行に…
- 探偵 父をたずねて 8
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2023.02.06
「宮本二郎さんをお願いします」 理由を聞くこともなく、受付の女性は、 「いまステージだから少しお待ちください。なんだったら、中に入って待つ?」 と店内に案内してくれた。舞台では、数人の男たちが演奏中だった。その中に、真っ…
- 探偵 父をたずねて 7
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2023.02.03
もうひとり、母の姉に真佐子という人がいて、芝居の一座を持っていた。のちに、娘浄瑠璃の踊り手として山口県の無形文化財に指定されるのだが、伯母のきぬ子やわたしは、ときどきこの一座の座員として地方巡業に同行した。もちろん、きぬ…
- 探偵 父をたずねて 6
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2023.01.31
探偵になって、四十数年経つが、わたしは、張り込み尾行のような「動」の調査より、資料を集めて分析したり、聞き込みを主体とする内偵調査のような「静」の調査が性に合っているらしく、どちらかといえば、時刻表や地図を調べ、こつこつ…
- 探偵 父をたずねて 5
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2023.01.27
依頼人が帰ったあとで、あらためて戸籍謄本を見る。依頼人早川直子は、昭和三十九年四月五日に京都で出生している。父親は新田繁夫、母親は森本和子となっている。両親の姓が違うのは、二人が離婚したためだ。そして母親の和子は、翌年、…
- 探偵 父をたずねて 4
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2023.01.25
もちろんわたしに拒む理由はない。前回のように詳しくは事務所で、ということなので、時間を打ち合わせて事務所で待つことにした。早川直子は、今回も、約束の時間きっかりに現れた。印象は前より少しばかり大人っぽくなり、洋服もセンス…
- 探偵 父をたずねて 3
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2023.01.24
依頼人には大学在学中の弟と妹がそれぞれひとりづつおり、マルヒ本人は、上のお姉ちゃんと呼ばれています。短大を卒業したあと、大手町に本店のある〇〇銀行に就職したことはよく知られています。きょうだいそろって、道で近所の人と会う…
- 探偵 父をたずねて 2
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2023.01.23
平成十九年六月、探偵業の業務の適正化に関する法律、いわゆる「探偵業法」が施行された。主管の発表では、日本全国で約四千、東京で約六百の事業所が、それぞれ所轄の警察署に届け出をしたが、大半が小規模の個人経営で、地方に行けば兼…
- 探偵 父をたずねて 1
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2023.01.21
昭和から平成に変わる頃、依頼人が調査会社に自分自身を調べてもらうという、なんとも奇妙な調査が流行った。 例えば、自宅近隣で自分の噂を集めてほしいとか、勤務先における上司の評価が知りたいといったものや、中には、友人や同僚が…
- 浮気発覚の原因とは?
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2018.03.12
一昔前の浮気発覚の原因 不倫(浮気)は、普通世間で使われる一般的な表現で、法律的には「不法行為」となります。 人はみな簡単に浮気しますが、簡単に法律違反をしているのであって、その結果、人生最大の危機に瀕する場合もあります…
- 探偵という仕事について語る
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2017.06.16
探偵の仕事 御依頼者の多くはご自身で抱えた問題の解決のために探偵に相談や問い合わせを行います。 言ってみれば、探偵の仕事は御依頼者に出来ない行為を手助けしサポートする存在と言えます。 調査は日常生活とかけ離れた行為であり…
- 不倫による離婚のその後
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2017.06.14
離婚して浮気相手と新たな人生を歩むことを選択する。 人の世は男と女で出来ています。が、ジェンダーレス等の問題からこの表現は古いのかもしれません。 現代社会における離婚理由は浮気問題が全てではないですが、「性格の不一致」や…
- 探偵成功率99.8%
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2017.06.14
探偵の調査成功率についてお話しします。 探偵の自社宣伝文句に「探偵成功率99.8%」等の数字を前面に掲げ、「依頼者の不安定な心情に確実な調査」を訴えかける探偵業者が存在します。 このような自社宣伝は正直なところ問題有りな…
- 不倫を許せない理由~嘘で成り立つ不倫関係
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2017.06.14
夫婦の信頼関係は何がよりどころとなって成立しているのか?「何のために我慢して夫婦でいようと努力するのか?」と疑問に感じることがしばしばあります。 世間では夫婦は我慢の上に成り立つという程、双方の我慢がなければ成立しない関…
- 浮気調査が証した親友の裏切り
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2017.06.14
「親友だと思っていたのに・・・」 過去の浮気調査の中には、配偶者の浮気相手が自分の親友だったというケースがあります。 そんな裏切り行為にあった方もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。 一般的な浮気経験者の多くは、「…
- 浮気のアリバイ
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2014.11.15
携帯電話で浮気アリバイ工作が困難に 携帯電話、特にスマートフォンの普及により、昔よりアリバイに苦労している人が多かったと聞きました。 固定電話の時代には「アリバイテープ」などが存在し、駅の騒音や麻雀店、パチンコ店、飲食店…
- 男性の思考
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2014.11.08
浮気をする男性の感情には「無いものを欲する」傾向が強く表れる。女性にも同様な感情があるが男性が持つそれとは種類が異なると言える。 男性の浮気に求める欲求の多くは「精神的な繋がり」や「独占欲」が大きな割合をしめている。 好…
- 許せない浮気
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2014.11.07
女性目線からですが旦那や恋人が浮気をしていたとしても絶対に許せない浮気はあります。 どんな状況においても特定の女性との浮気は絶対に許せません。 確かに風俗などで処理的な浮気も許せないという人もたくさんいるでしょう。 でも…
- 女性探偵の活躍
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2014.10.29
女性が調査対象の素行調査、特に妻の浮気調査などでは私たち、女性探偵が重宝され活躍しています。対象者が女性の場合、夜間や特に深夜では怪しまれることなく、尾行ができます。 女性探偵である私でも深夜に男性がずっと付いてきている…
- 探偵逮捕、残念
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2014.10.28
探偵業法によりこの探偵業界でも悪質な探偵社が減ってきているがまた大阪と東京の新宿で探偵会社2社を経営している社長とその従業員である探偵調査員達が合計7人逮捕される事件が起こってしまいました。 なにか債権を取り立てる事を「…
- 探偵の宣伝
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2014.10.25
探偵は宣伝して待たねばならない 探偵は広告等により自己の存在を世間にアピールし、認知されれば問い合わせに繋がり、相談や依頼を得ることができるという、言わば「待たなければならない職業」と言えます。 いくら広告に費用を費やし…
- ブログ開始
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2014.10.07
はじめまして! 探偵による本音や探偵業に関するお話、調査現場で起きた過去のエピソードなどをブログとして発信していきます。 探偵でしか得られない経験やエキサイティングな調査を「実話に基づき」お話しできればと考えております。…